ソリュート鹿児島 代表挨拶

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作者: ウェブ管理者
2010年 4月 16日(金曜日) 20:42

鑑定ソリュート鹿児島 代表挨拶

バブル経済崩壊前後が不動産鑑定業界の市場拡大のピ-クにあり、その後失われた10年とも20年とも言われ、今は冬の時代に突入しております。保有すれば必ず資産価値が上がるといわれたいわゆる土地神話がくずれ、一転して「所有から利用へ」と土地利用のありかたが変わる、いや変わらなければならないとの大合唱が国をあげておこりました。

代表的なものは、定期借地権制度の創設でした。残念ながら事業用借地権を除いては大きな広がりはありませんでした。また、不動産に係る各種の制度が変わりましたが、地方ではその恩恵はほとんど受けていないのが実情です。結局のところ地価下落は、所有から利用へという掛け声倒れに終わり、デフレによる家計への圧迫と地方財政の悪化をもたらしただけではないのかと思います。

鹿児島の地価の今後を占う上で基本的な要因である人口の推移をみてみると、昭和30年の200万人をピークに減り続け、平成21年には170万に落ちています。住宅地価の推移動向をみる上で重要な指標の新設住宅着工戸数は減少傾向にあり、商業地の地価の指標となる大型小売店舗の販売額も同様にあります。局地的には高速道路無料化による通勤圏の拡大から一定のエリアでは地価下落に歯止めがかかると予想されますが、逆に路線型の商業地は客足の低下により下落に拍車がかかる可能性があります。鹿児島の住宅地の地価は昭和60年、商業地の地価は平成3年をピークに下がり続けています。全県的には今後もこの基調は続くと思われます。そのため継続事業における公共用地の取得は今後非常に難しくなり停滞が予想されます。地方再生のためにも、なんとか地価下落を食い止める施策を強く期待します。

 

次に鑑定評価発注の変化を考えてみたいと思います。

従来鑑定評価の発注は随意方式をとってきましたが、ここ3~4年前から国・地方自治団体とも指名競争入札から一般競争入札へとシフトしてきています。受注機会を拡大し、公平を図ると言う観点からは、大いに結構な制度転換だとおもいますが、弊害はそれ以上に大きくなってきていると思います。

公共用地の評価は、税金を投入する公共性の高い評価であります。当然適正な評価がもとめられ、適正な評価をするには一定の時間と労力と技術が必要になります。大きな需給ギャップが生じ、市場が十分機能してない鑑定業界の厳しい環境の中では、1円入札が可のような制度では、ダンピングもどきの低価格による受注も発生しており、品質保障の確保が今後問題になってきます。結果的に市民、国民、ひいては行政に損害を与えることにつながりかねません。適正な利益が確保できる環境での価格競争なら問題はないと思いますが、低価格競争一辺倒のやり方で安値受注競争が続くと、最終的には人材の投資部門まで削らざるを得なくなります。雇用は減り、納税量は小さくなり、財政を預かる行政のみならず、国民・県民・市民まで影響がでてくるのではないでしょうか。

税金を投入する公共用地の評価においては、ブラックボックスされては困りますが、適正な利益が確保されることを考えたうえで、一定の評価方式の導入により、それをクリアした者には価格競争による事無く受注機会を与える制度を考えてもらえれば大変ありがたいです。


最終更新 ( 2012年 2月 15日(水曜日) 15:04 )